エモにある重要な要素 〜 American Footballのように情緒的であること
前回は、エモにある重要な要素、Joan Of Arc の実験性について記事を書きました。
今回は、いよいよAmerican Footballについて書きます。
エモやポストロックのレジェンドとも言えると思います。
Cap'n Jazz のメンバーの軌跡としては、キンセラ兄弟の弟、Mike Kinsellaがフロントマンですね。ファーストアルバムが出た時には、既に解散、メンバーはそれぞれの道をあゆみ、Mike Kinsella は Owen 名義で音楽活動を、他のメンバーは普通に社会人として勤め人の道を歩んだそうですね。その後、再結成、3枚目までアルバムをリリースします。
エモにある重要な要素、Cap'n Jazz の軌跡からするとAmerican Football にあるそれは、情緒的であること、この一言です。
The Promise Ringの疾走感、Ghoast and Vodokaのギターサウンドとは一線を画し、Joan Of Arc のような実験性は凌駕した完成された情緒性です。
音楽的と言っても良いと思います。叙情的で、じんわりと感情を表している音楽。
代表曲「Never Meant」では、つもりではなかった秋の夜、終わってしまった恋を回想する情景が唄われます。
表現としては、クリーンサウンドのギターアルペジオが繰り返され、ペースはゆったり、単調にはならず変拍子が織り成されることで表現される劇的な構成力。
美しい音楽です。
エモにある重要な要素 〜 実験的に派生していく Joan Of Arc
前回は、エモにある重要な要素を、Ghost And Vodka の ギターサウンドから記事を書きました。
今回は、Joan Of Arc の実験的な要素について取り上げてみたいと思います。
中心的メンバーは、言わずと知れたキンセラ兄弟の兄、Tim Kinsella 。
メンバーの入れ替わりはあるも、兄さんは恒久的位置取りで、唯一の継続メンバー。
1st.アルバム「a portable model of」を聴けば、何よりまずは難解、の感想でしょう。
のちにキンセラ兄さんは、エモと称されることを嫌がったようですね。わかるような気がします。ちょうど90年代に、ハードコアから新たな実験が始まったシカゴ音響派からの影響があるのかもしれません。初めて聞いた時には、頭の中がとっ散らかる程、ロックの定式からはかけ離れたアレンジです。全体的にクリアなサウンドで統一感があり、電子音や環境音による装飾に変拍子といった具合で、疾走感繋がりでエモを辿る道中であれば、この難解さは、予想を超える驚きが得られる体験です。
聴けば聴くほど、の部類ですね。クリアサウンドに環境音による装飾ですから、キャンプに行った時などのBGMに良いかもしれません。
ストレートなロックの定式から実験的に派生していく Joan Of Arc 。エモの潮流で重要な要素ですね。
引き続き、エモ、ポストロックに注目していきます。
エモにある重要な要素 〜 Ghost and Vodkaのギターサウンド
前回は、エモにある重要な要素、The Promise Ring の疾走感に注目しました。
今回は、エモにある重要な要素を、ギターサウンドから注目してみました。
Ghost And Vodka / Good Luck With Your Multiple Personalities
Cap'n Jazz に在籍していた Victor Vilareal と Sam Zurickn の二人のギタリストが織りなす、思わず耳が引き寄せられる単音ユニゾンフレーズ。ツインギターで掛け合い、重なり、ブレイク。これぞ、エモです。引き継がれて来ている単音フレーズは、元はユニゾンであったことが、エモにとって重要な要素になっている起源ではないか、と。さほど大そうな話でもないかもしれませんが。
注目点をフレーズではなくギターサウンド、としたのはギターのエフェクター云々の観点というよりも、微妙にピッチの異なる音が同じフレーズで重なることで出現する音響効果に注目しました。
引き続き、エモに注目していきます。
エモ にある重要な要素 〜 The Promise Ringの疾走感
ブログを始めるきっかけになったCap'n JazzのLittle Leagueという曲。
直球ストレートに紋切り叫び、爽快感すらあるこの疾走感を聞いた途端に、軌跡を辿ろうという動機に火がつきました。
疾走感、きっとエモというジャンルで重要な要素でしょう。
では、軌跡をどのように辿るか。
Cap'n Jazzのメンバーから派生していったと言われるポストロック、エモ。
音楽的な観点からの評価の高いキンセラ兄弟からの分岐が重要とされるジャンルで、あえて爽快感ビート繋がり。今回は、Promise Ring 。
アルバム Nothing Feels Good の中でも疾走感溢れる4曲目 Why did we ever meet。
このビート感、もちろんボーカルギターのCap'n Jazz メンバーだった Davey Vonbohlenのリズミックな歌い回しとギターの刻みはもちろん、Dan Didier のドラミングが肝ではないかと。
ゴーストノート的なハットの閉じ開きがキレのあるノリを決めて、ブレイクを経た後に一気にクラッシュを叩きながら囂々と疾走していく盛り上りは、まさに爽快。
素朴に疾走している感覚も好感度高い曲です。
次回も、疾走感繋がりで行きたいと思います。
Cap'n Jazzのカセット
Cap'n Jazzをきっかけにブログを初めてみました。前回記事。
音源を手にしたのは、カセットからでした。
手のひらに収まる感が、おもちゃの様で楽しいです。
再生してみると、カセット独特の圧縮感のある暖かい音がします。もちろんプレイヤーの質によるところもありますね。
パタパタ折りたたみ式のレーベルも、久々に手にすると新鮮に感じます。
アナログの良さだけではありません。DLコードもついてくるので、iPodなどに入れて持ち歩くにも気が利いています。
音楽の楽しみ方に、手にしてみる、というのも楽しい要素です。
今回は、音楽の話というよりも、音源のフィジカルの話になりました。
Cap'n Jazzをきっかけに、ブログを始めてみた。
好きな音楽、アート、これまで好きだったものが沢山あります。
新たに好きになったものを、もっと知りたい、その変遷や軌跡を辿る、そんな足跡にしてみようと思います。
そのきかっけになったもう20年以上も前のバンド、Cap'N Jazz。
アルバム1曲目、Little Leagueの疾走感から、軌跡を掘り当てに行こう、そんな情熱に火がつきました。
知ったきっかけは、日本のポストロックの大御所、toeの山嵜廣和氏がwowowの番組で、私が選ぶ9枚的なうちの1枚で紹介。
これから、ボチボチとエモ、ポストロック、と言ったキーワードをジャンルにした音楽を、まずは辿って行きたいと思います。
大陸を横断し往来する洋楽の歴史も辿ると面白そうです。